【戦いを略す】指名検索とは?10の事例で学ぶ増やし方

「指名検索を増やすと良いことがあるらしいけど、指名検索ってそもそも何?」
「ビジネスを拡大させる為に指名検索を増やしたいが、増やし方が分からない」

この記事を訪れられた方はこのようなお悩みをお持ちではないでしょうか。

今回は指名検索を増やす為に様々なWebマーケティング施策を行っている私が指名検索の定義から指名検索を増やす為の施策までご紹介します。

この記事でわかること

  • 指名検索の定義とその特徴
  • 指名検索を増やすことで得られるメリット
  • 指名検索を増やす為の施策
目次

指名検索とは

指名検索の定義

指名検索とは、自社の会社名や製品、サービス名を含む検索行動全般を指します。芸能人やインフルエンサーの場合は、自分の芸名やコンビ名、Youtubeチャンネル名が検索された場合も指名検索になります。

このメディアの指名検索は、『エグゼクティブビジネスアカデミー』です。

指名検索の検索結果、自社のページは上位表示されているかは必ずチェックしてみましょう。

指名検索と一般検索との違い

一般検索とは、特定の社名や製品、サービス名を含まない検索行動を指します。

私たちが無意識のうちにしている検索行動のほとんどは一般検索に該当します。

一方で一般検索は非常に競争が激しい世界です。一般検索の検索結果をめぐっては日夜、様々なビジネス業者が終わりのない争いを繰り広げています。後に紹介しますが、自社のページを上位表示させる為にSEOやリスティング広告などあの手この手を使って終わりのない争いを繰り広げています。争いばかりでは疲弊してしまいますよね。

そこで重要になるのは指名検索です。指名検索を増やすことができれば、一般検索における地獄のような競合との検索順位争いから抜け出すことができます。

指名検索と自然検索との違い

少し脱線しますが、用語を区別する為に自然検索についても紹介します。

自然検索とは、検索結果のページに表示される内容を指す言葉です。

有料の広告枠以外のことを自然検索と呼びます。

下記の画像の通り、自然検索は有料の広告掲載枠の下に表示されます。

リスティングの項目で詳しく紹介しますが、自然検索であっても有料の広告掲載枠に自社のページを乗せることがあるので注意が必要です。

指名検索を増やすメリット

コンバージョン率の高さ

指名検索と一般検索の違いで紹介しましたが、指名検索は一般検索と比較して自社のページを上位表示させるコストが低く済みます。

しかし指名検索を増やすメリットはそれだけではありません。

指名検索は一般検索と比較して圧倒的にコンバージョン率が高いです。

※コンバージョン率とは
検索結果からサイト流入後に資料請求やお問い合わせなどのコンバージョンに至る確率のことです。コンバージョンとは『転換』の意味で検索ユーザーを自社の顧客に転換することを、
コンバージョンさせると良います。略してCVと使うことが多いです。

指名検索の方がコンバージョン率が高い理由は、ユーザーが特定ニーズを持った時に自社の製品やサービス名が具体的にウォンツとして喚起されている状態だからです。

ニーズとウォンツという言葉が馴染みがない方向けに下記のように分かりやすく言い換えてみましょう。

例えばハンバーガーを食べたいと思った時に『バーガーキング』という指名検索がされたとしましょう。この時、ユーザーの脳内では他のハンバーガーチェーンであるマクドナルドやモスバーガーなどの競合がふるい落とされている状態になります。この状態になれば無敵です。たとえユーザーの目の前にマクドナルドがあり、1km先にバーガーキングがあったとしてもそのユーザーはわざわざ離れたバーガーキングまで足を運んでくれます。バーガーキングの方がマクドナルドよりも値段が高いにもかかわらずです。

いわば指名検索とはユーザーを自社のファンにした状態なのです。

Googleのアルゴリズム変更に強い

指名検索のもう1つのメリットとしてGoogleのアルゴリズム変更に強い点も上げられます。

SEOは一般検索の結果ページで自社ページの上位表示させることを狙います。

しかしGoogleは検索結果を上位させるアルゴリズムを頻繁に変更します。

アルゴリズムという言葉が馴染みがない為に補足すると、アルゴリズムとはある問題を解く為の計算や処理を行う方法のことです。今回の場合はユーザーの検索結果に表示させるページの掲載順位を決める為の方法という認識で良いでしょう。

そもそもなぜGoogleがアルゴリズムを頻繁に変更するかについても紹介しましょう。

その理由はビジネス事業者がSEOを実施して、Googleの検索結果をビジネス事業者の望むままに変えてしまうことを恐れているからです。Googleの主な収益源の1つに検索結果に表示される検索広告があります。継続的に広告収入を得る為にGoogleは検索ユーザーにこれまで通り、自社の検索エンジンを使ってもらう必要があります。その為、Googleはその検索結果にユーザーが有益だと感じるページを表示させたいと考えます。検索結果を巡ってはSEOを行うビジネス事業者と、Google側でいたちごっこのような形で争いを繰り広げています。

しかし指名検索を増やすことで、この『Google vs SEOを行うビジネス事業者』の争いからも抜け出すことができます。その理由は自社の製品やサービス名を含むページは自社が独占的な情報を持っている為に上位表示させやすいからです。

自社の製品やサービスについては当然、自社が詳細情報から最新情報までを握ることができます。その為、Googleが検索順位を決めるアルゴリズムのルール変更した際も指名検索について継続して自社ページを上位表示させやすいと言われています。

指名検索を調べる方法

Googleトレンドの使い方

次は自社の指名検索のボリュームを調べる方法をご紹介します。

非常にお手軽な方法としては、Googleトレンドが挙げられます。

例として2019年3月より連載を開始した『スパイファミリー』を紹介します。

下記のグラフは過去5年間のグラフになるのですが、連載開始前の2019年3月以前は指名検索が存在しないことが分かります。そして2024年4月以降に爆発的に指名検索が伸びていることが分かります。これはアニメ1期がこの時期に放映開始したことが影響したと考えられます。

このようにGoogleトレンドを使えば自社はもちろん、競合他社の指名検索についてもそのボリュームや変遷について把握することができます。

さらにGoogleトレンドを使えば、自社と他社などの検索ボリュームを比較することができます。

下記は『スパイファミリー』と『呪術廻戦』を比較した結果になります。呪術廻戦もスパイファミリーと同じく、連載開始からアニメ化のタイミングで爆発的に検索ボリュームが伸びたということが分かります。また両者を比較することで呪術廻戦が2021年12月末に映画『劇場版 呪術廻戦 0』を上映してから話題が少なくなることで検索ボリュームが落ちていく中で、スパイファミリーがアニメ化することで検索ボリュームを一時期、逆転していた時期があることも分かります。

Googleトレンドを使う際に注意

Googleトレンドを使う際の注意は主に1点です。

それはGoogleトレンドで分かるのはあくまで『人気度の動向』であり、
正確な数値ではないということです。

下記はGoogleトレンドの人気の人気度の動向の説明になります。

※Googleトレンドの人気度の動向について
数値は、特定の地域と期間について、グラフ上の最高値を基準として検索インタレストを相対的に表したものです。100 の場合はそのキーワードの人気度が最も高いことを示し、50 の場合は人気度が半分であることを示します。0 の場合はそのキーワードに対する十分なデータがなかったことを示します。

指名検索を増やすための方法10選

1.ネーミング(SUUMO)

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指名検索を増やす為の1つ目の方法は『ネーミング』です。

自社の製品やサービスにまだ誰も使ったことがないオリジナルの名前をつけることは指名検索を増やす為の施策として効果バツグンです。

しかし製品やサービスを連想しづらい名前やあまりなじみがない外国語をつけてしまうと逆にユーザーの記憶に定着させづらくなる恐れがあります。その結果、指名検索自体をしてもらえないという結果になってしまうと本末転倒ですよね。

ネーミングで指名検索を増やした事例として、リクルートの『SUUMO』をご紹介します。

SUUMOは元々は『住宅情報』という月刊誌でした。しかし身近さを演出する為に2009年はSUUMOに変更。テレビCMなどの影響もあるが親しみやすいネーミングセンスで指名検索数を爆発的に増やしました。後の項目でテレビCMもご紹介するのですが、おそらく元の住宅情報というサービス名のままでは現在の知名度は得られなかったと考えられますのでネーミングが重要だと言えるでしょう。

2.SEO(カーセンサー)

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指名検索を増やす為の2つ目の方法は『SEO』です。

記事内で何度も紹介しているのでSEOについては説明は不要でしょう。

SEOで指名検索を増やしている事例として、SUUMOと同じくリクルートのグループ会社である『カーセンサー』の例をご紹介します。

カーセンサーは「中古車買い取り」という検索キーワードで堂々の1位表示を獲得しています。カーセンサーはリクルートグループである為、グループ会社と被リンクを獲得をしておりドメインのパワーが高いことが推察されます。

指名検索というと直接、自社の製品やサービス名をユーザーが検索するイメージがあるかもしれません。

しかし最初は一般検索でも、そこで上位表示させることで自社の名前を覚えてもらい、そこから指名検索に繋げられます。その為にも指名検索のみならず、一般検索も上位表示させましょう。

3.SNS・動画コンテンツ(アトム法律事務所)

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指名検索を増やす為の3つ目の方法は『SNS・動画コンテンツ』です。

指名検索を伸ばす為には、XやInstagram、YoutubeなどのSNS活動も外せません。
特に動画コンテンツは文章などのコンテンツと比較してユーザーと接触する時間が長くなる傾向があります。心理学的にも『単純接触効果(ザイアンス効果)』という効果が認められています。

単純接触効果とは、ユーザーと自社のコンテンツが接する時間や回数が多いほどユーザーは自社に対して親しみやすさや愛着を抱くようになるという心理学的効果です。

SNS・動画コンテンツで指名検索を増やしている事例として、アトム法律事務所の岡野剛弁護士を紹介します。岡野氏はアトム法律事務所の所長としてYoutube活動を開始しました。

「質問きてた!」という動画冒頭のキャッチフレーズで、弁護士としての法律知識を使って視聴者の素朴な疑問に回答するスタイルの動画はYoutubeやTikTokをまたたく間に席巻しました。指名検索を伸ばす施策としては、動画の最後に『アトム法律事務所』という特徴的なサウンドロゴで事務所名を視聴者に印象づけている点もポイントが高いです。

アトム法律事務所の事例については下記の記事でも紹介しているので興味がある方は是非ご覧ください。

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4.ローカルSEO・MEO(武田塾)

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指名検索を増やす為の4つ目の方法は『ローカルSEO』です。

ローカルSEOとは、MEO(Map Engine Optimization)とも呼ばれます。

こちらはGoogleマップ上に表示される施設の口コミ評価を高くして、
ユーザーがGoogleマップで施設を検索する際に自社の施設を上位表示させようとする施策です。

オフライン店舗を活用するビジネスを実施している経営者でローカルSEOに取り組んでいない場合はすぐに取り組んだ方が良いでしょう。店内に『口コミでの投稿お願いします』など掲示物を貼ることで十分ユーザーのレビューを促すことができます。

一方でローカルSEOは非常に結果を改ざんしやすいというデメリットもあります。たとえば飲食店などによくあるのは、Googleマップの口コミ星5の高評価と引き換えに大盛り無料やトッピング無料の特典をインセンティブとして与えるなどの例です。

Googleとしては当然、ユーザーの嘘偽りのないレビューを掲載して、Googleマップの価値を高めたいと考えている。当然、上記のような施策が横行されてはレビューの信頼性が担保されなくなるので困ると考えられます。そこでGoogleも下記のような不正行為について、独自のアルゴリズムで不正なレビューについてはアカウント停止のペナルティを与えるなど厳しく取り締まっています。

・自作自演による口コミ
・報酬を支払うことで投稿してもらった虚偽の口コミ
・ユーザーに対し、割引やサービスなどを引き換えに投稿してもらった口コミ

一方で組織的にブラックなローカルSEOを行う事例は跡を絶ちません。

組織的にGoogleマップ上で高評価の口コミを量産したことが明るみに出て炎上した事例として『武田塾』の事例が挙げられます。

武田塾は『授業をしない塾』として株式会社A.verが全国にフランチャイズ展開する学習塾です。フランチャイズの一店舗が主犯であるとはされていますが、千葉県柏市にある校舎で勤務する従業員たちが携帯のモバイル回線などを駆使して同一IPによる不正口コミであることを巧妙に隠ぺいして、Googleのアルゴリズムに検知されないように時間帯をバラバラにして口コミを行うなどして校舎の口コミ評価を上げていたという事例が紹介されています。

その後、武田塾を運営する株式会社A.verは、上記の問題を理由に柏校を運営するアカデミー・オブ・ファーストパシフィック社とのフランチャイズ契約を打ち切る事態にまで発展しました。

出展:武田塾柏校での組織ぐるみの口コミ投稿、SNSに指示画像が掲載され発覚

この事例のようにローカルSEOは無料で取り組める点や、従業員などを巻き込んで人海戦術を駆使すれば短期間で口コミ評価を上昇させやすい点など不正を思いつきやすいです。一方でGoogleのアルゴリズムもこのような事情を把握しているので不正が検知された施設の掲載順位は下げるなどの対抗措置を取っています。

『急がば回れ』ではないですがローカルSEOについては不正に該当するような施策は行わず、あくまで施設としての提供価値を高めた上で口コミをお願いするなどに留めた方が良いでしょう。

5.メルマガ(BEAMS)

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指名検索を増やす為の5つ目の方法は『メルマガ』です。

メルマガとか、メールマガジンの略です。

『LINE』などのメッセージアプリが全盛の時代にメールマガジン!?と驚かれる読者の方もいるかもしれません。しかしメディアの違いに着目すれば下記の2点の理由から、メールマガジンが今なお高いパフォーマンスを秘めていることが分かります。

まず1点目ですが、スマホアプリより、メールに慣れ親しんだ読者というのは必ず一定数存在します。

それは特に富裕層の高齢者に多いと考えられます。その為、高単価の商材を扱うビジネス事業者はメールマガジンを侮らず、自社の製品やサービスを利用する年齢層に合わせてメールマガジンを施策として組み込んだ方が良いでしょう。

次に2点目ですが、メールマガジンは後述するアプリによるPush通知やLINE公式アカウントの投稿と比較して通知オフやアカウントブロックされづらいというメリットがあります。

メールマガジン・アプリのPush通知・LINE公式アカウント、これらは全てサービスの事業者が任意のタイミングでユーザーに情報提供を行えるという意味で同じ系統に分類することができます。

しかしアプリのPush通知とLINE公式アカウントの投稿がスマホアプリ上でユーザーに即時通知されるのに対して、メールマガジンは即時通知されないという明確な違いがあります。メールについてはユーザーが自分の好きなタイミングでメールを開封して、その内容を確認することができます。

一方で前述した2つの施策についてはユーザーのタイミングを無視して、ビジネス事業者側のメッセージを送り込んでしまうことからユーザーの反感を買うリスクがあります。

もちろんこの2つの施策もユーザーに情報を送信する時間を細かく決めることができるのですが、万人のユーザーにとって都合の良い時間というものは存在しません。その為、この2つの施策は常にユーザーから通知をブロックされるリスクがあります。そうした理由からも自社でアプリやLINE公式アカウントを行っていても、メールマガジンを行うという理由は十分にあるでしょう。

メールマガジンを活用している事例として『BEAMS』を紹介します。

実はBEAMSは自社でも独自ブランドを展開するセレクトショップで、海外ブランドのアパレルなどを取り扱っています。昨今はオフライン店舗に加えて、ECサイトでの販促活動にも積極的に取り組んでいます。

実はBEAMSですが自社アプリもLINE公式アカウントも取り組んだ上で、メールマガジンを送っています。BEAMSは前述したメールマガジンのメリットを深く利用した上で複数媒体で自社のブランド価値を最大化する施策を実行していると考えられます。

BEAMSのメールマガジンが優れている点は、メール冒頭にユーザーが所持している残りポイントを表示させている点です。

ECサイトによく悩みとして獲得したポイントが有効期限切れで無くなってしまうということが挙げられます。それに対してBEAMSはメールの冒頭に残りのポイント所持数を記載することでユーザーがまたBEAMSのECサイトへ訪問することを促しています。詳しい仕組みは不明ですがメールマガジンの内容をパーソナライズさせる為には少なくとも下記の手順が必要なのでBEAMSがメルマガを配信を重要だと考えていることが分かります。

データベースの活用
顧客のポイント数は、BEAMSのデータベースまたは顧客管理システム(CRM)に保管されています。このシステムは、顧客ごとにポイント情報を含むさまざまなデータを記録しています。
メール送信システムとの統合
メールマーケティングツールやメール送信システムは、データベースまたはCRMと連携して、送信前に各受信者のデータに基づいてメールコンテンツを動的にカスタマイズできます。このプロセスは、メールが送信される直前に行われることが多いです。
動的コンテンツの挿入
メールテンプレートには、受信者ごとに異なる内容を表示するためのプレースホルダーや特別なマークアップが含まれています。メール送信時、システムはこれらのプレースホルダーを、データベースから取得した実際の顧客データ(この場合は残りのポイント数)で置き換えます。
・個々のメールの生成
メールマーケティングシステムは、この情報を使って個々のメールを生成し、それぞれの受信者にパーソナライズされたコンテンツ(残りのポイント数など)を含むメールを送信します。

6.Push通知(スターバックスコーヒー)

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指名検索を増やす為の6つ目の方法は『Push通知』です。

自社のスマホアプリがあればPush通知を使って自社アプリをインストールしたユーザーに自社の情報を伝えることができます。

アプリの設定次第でユーザーの利便性を提供することができます。たとえばアプリ上で特定の商品などを販売するサービスであれば、新商品や品切れ中の商品を入荷した時に入荷情報のリマインダーを登録ユーザーに通知する機能があればユーザーは欲しい商品を買い逃すことを防げます。Push通知は上手く活用すればユーザーに提供するブランド価値体験を向上させることができるでしょう。

しかし1日に何度もPush通知を行ってしまったり、ユーザーのタイミングを無視してビジネス事業者の宣伝告知を含むPush通知を行ってしまうと、ユーザー側からPush通知を停止されたり、アプリ自体をアンインストールされたりしてしまうリスクがあります。

そんな中でも上手にPush通知を活用している事例として『Starbucks Coffee(スターバックスコーヒー、以下スタバ)』の事例を紹介します。

スタバといえば言わずと知れた海外コーヒーチェーンです。中でも季節ごとに期間限定のフラペチーノを提供していることが有名です。春であれば桜、夏であればスイカなどその季節の風物詩といえるアイテムにちなんで個性豊かなフラペチーノを提供しています。

しかしこの季節限定のフラペチーノですが、油断をしていると目当てのフラペチーノが期間終了で終売になっているということがあります。期間中でも人気が高騰すると材料が足りなくなって売り切り次第終了となることがままあります。

そうした問題に対してスタバのアプリを登録すれば最新の季節限定フレーバーを回伸ばしたという展開を防ぐことができます。スタバのアプリは季節限定フレーバーが出る前後のタイミングでPush通知でフレーバーが出る時期などを教えてくれます。さらにPush通知の事例とは逸れてしまうのですが、スタバはアプリ会員限定で前述した季節限定の新作フレーバーの先行販売を行っています。こうしたキャンペーンもPush通知で知らせてくれます。今となっては知らぬ人のいないスタバですが、こうした細かな施策によってユーザーの関心を引き続けていると考えさせる良い事例です。

7.LINE公式アカウント(悟空の気持ち)

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指名検索を増やす為の7つ目の方法は『LINE公式アカウント』です。

こちらも基本的にスマホのPush通知の機能をベースにした施策になります。

しかしLINE公式アカウントは最短即日で自社のアカウントを作成して友だち募集を開始することができます。その為、1からスマホアプリを作成してAndroidやApp Storeに開発したアプリの審査を通過してアプリをリリースする工程を省けるメリットがあります。

LINE公式アカウントを活用している事例として『悟空の気持ち』を紹介します。

悟空の気持ちは、予約キャンセル70万人待ちのヘッドスパ専門店です。こちらは京都で開店後、心斎橋・堂島・銀座・原宿と店舗を増やし続けているのですが予約が取れないことでテレビで取り上げられるほど有名です。

しかし公式LINEアカウントに登録することで新店舗をオープンした際や既存店舗でキャンセルが発生した時に公式LINEアカウントから通知が来る仕組みがあることはご存知でしょうか。

実は私も悟空の気持ちの公式LINEアカウントを登録しているのですが、非常にスリリングな体験ができるので毎回そわそわしてしまいます。通知から毎回わずか2,3分でキャンセル枠が予約で埋まる様は百貨店のバーゲンセールでもみくちゃにされているような感覚で大興奮すること間違いなしです。その為、私は特にマッサージを受けたいなという気持ちでなくても、悟空の気持ちの公式LINEアカウントから通知が来るとついつい予約フォームを覗いてしまいます。

この事例はかなり特殊かもしれませんが、自社でも製品の数やサービスを受けられる枠を少なくすることで商品の希少性を高められるかもしれません。さらにその商品をいち早く購入できるチャンスをLINE公式アカウントで告知するなどの施策を行えば、自社の商品や自社のブランド価値を強烈にユーザーに刷り込む結果になり、結果的に自社の指名検索を増やすことに繋がるかもしれません。

8.プレスリリース(新聞広告)

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指名検索を増やす為の8つ目の方法は『プレスリリース』です。

プレスとは元々『新聞社』の意味です。ラジオやテレビ、Webなどのメディアが発達する前に企業が自社の新しい製品やサービスを新聞に広告として掲載しました。現在ではその名残りで外部のメディアに情報告知することをプレスリリースと呼んでいます。

プレスリリースの事例としては、『スラムダンク』の事例を紹介します。スラムダンクは、週刊少年ジャンプで1990年から1996年まで連載されていた国民的バスケットボール漫画です。原作者は井上雄彦で車椅子バスケを描いた『リアル』や剣豪宮本武蔵の活躍を描いた『バガボンド』などが代表作です。

このスラムダンクですが15年以上の時を超えて、2022年の12月上旬に映画『THE FIRST SLAM DUNK』として劇場公開されると翌年の8月末に終映されるまで、およそ8ヶ月以上のロングランとなりました。監督は何と漫画の原作者である井上雄彦です。

そして映画が終映となった翌日、9月1日には朝日新聞の朝刊に、映画のロングラインを支えてくれたファンに感謝と励ましを送る見開き全面広告が掲載されました。

新聞というと今は電子版も増えて、わざわざ紙面で記事を読むという方は少数派かもしれません。しかし新聞紙という日常生活ではありえない大きな紙面に対して自社のメッセージを掲載できるという点では他のメディアにはないメリットがあります。

また前述したTHE FIRST SLAM DUNKの見開き広告が掲載された新聞はフリーマケットアプリでプレミア価格がついて新聞の価格の20倍以上の値段がついて、ファンの間で取引がされたことでも話題になりました。

上記の事例はスラムダンクという国民的IP(知的財産)ありきの事例のように考えられるかもしれません。しかし例えば自社と既に人気があるIPとコラボすることで新聞の見開き広告を活用するなどすれば自社の指名検索を増やすチャンスは多いにあると考えられます。

昨今はWeb上でも『PR TIMES』を始めとするプレスリリースのみを扱ったサービスもあります。そこでも自社の製品やサービス、最新情報を告知することはできます。一方でそもそもプレスリリースする製品やサービス自体に話題性がなければ、ユーザーが興味を持って検索自体をしてくれないということもあります。

売り込みたい製品やサービスのメインターゲットがその広告媒体を見るということが前提にはなるのですが、プレスリリースについてはWebだけではなく、新聞広告なども選択肢の1つとして考えられるので紹介いたしました。

9.リスティング広告(Apple)

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指名検索を増やす為の9つ目の方法は『リスティング広告』です。

リスティング広告は、『検索広告』と呼ばれます。

こちらはGoogleやYahoo!などの検索結果に自社ページをお金を払って広告枠に掲載するという施策です。

リスティング広告で得られるメリットは3つあります。

1つ目のメリットとしては、即効性が高い点が挙げられます。通常、SEOで半年や1年かけて上位表示を目指すのに対して、リスティング広告であればその日に最上部表示も目指せる。

2つ目のメリットとしては、コンバージョン率が高い点が挙げられます。リスティング広告ではユーザーが検索クエリ(問い合わせの意味)に対して、広告主側が狙った検索キーワードのみ広告表示させることができます。その為、あらかじめニーズが見込まれるユーザーに対して自社の製品やサービスの広告を表示させることができるので他の広告と比べてコンバージョンに至る確度が高いです。

3つ目のメリットとしては、広告開始のハードルが低い点が挙げられます。リスティング広告の広告費は、検索ユーザーが表示された自社の広告をクリックして初めて費用が発生します。その為、比較的少額から広告配信を開始することができます。

リスティング広告のデメリットなど詳しくは下記の記事で紹介しています。
詳しくは下記の記事をご覧ください。

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リスティング広告を活用している事例として『川手遼一さん』を紹介します。

急に個人名が出てきて戸惑わせてしまい、申し訳ございません。

この方は株式会社キーワードマーケティングで広告事業部のマネージャーをされている方です。

社内ブログや自身のSNSで日夜、広告媒体の最新アップデート情報やWeb広告業界に対する深い洞察を発信されているWebマーケターです。

そしてWebマーケターとしておそらく自分の名前でリスティング広告を掲載している唯一の人物です。

SNSなどで芸能人が番組放映直後に自分の名前を検索することを『エゴサーチ』と呼びます。しかし有料のリスティング広告を自分の名前に対して出すというのは、これは『究極のエゴサーチ』と言って過言ではないでしょう。

川手さんが自分の指名検索にリスティング広告を出稿する目的ですが、これは同業者からの興味関心を得ることだと考えられます。

正直、川手さん個人の名前をクライアントが検索する機会は少ないと考えられます。一方で川手さんは広告運用業界では名が通った人物です。影響度でいうと新入社員で川手さんが執筆したブログ記事を一切見ずに広告運用をやっているという人は少ないと考えられるほどです。広告の遷移先の『PPC-LOG』のページを見ると分かるのですが『転職に関するご相談』というページがあります。

川手さんはキーワードプランナーのマネージャーとして経験者をリクルーティングする目的として広告出稿されている可能性があります。

一方で広告主について確認してみると、広告主は株式会社キーワードマーケティングではなく川手遼一さんです。川手さんは本当にポケットマネーで自分の名前に『エゴリスティング』されているようです。

一方で川手さん経由で応募するとリファラル採用になるような旨も遷移後のページに記載がございます。

リファラルとはいわゆる紹介採用で、既に自社に入社している社員が外部の人材を自社に入社させた際に会社が紹介料を支払うというインセンティブ制度です。邪推になるかもしれませんが、川手さんはエゴリスティングを継続できている背景には『リファラルのインセンティブ(売上)ー広告配信金額(費用)=利益』という図式が存在するのかもしれません。

指名検索に広告出稿することで『川手さん・応募者・キーワードマーケティング』の三方良しのビジネスを発生させてしまうなんて、川手さんは凄いですね。

実は川手さん自身が書かれた指名検索に関する記事もあります。

合わせてこちらもお読み頂けると指名検索に対する理解度が深まるでしょう。

PPC-LOG
【決定版】指名検索を増やす上で有効な17の手法 「指名検索を増やす方法はありませんか?」という質問は、リスティング広告やSEOを担当している方であれば一度はクライアントや上司から投げかけられたことのある質問では...

10.TVCM(日清)

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指名検索を増やす為の10つ目の方法は『テレビCM』です。

こちらは特に古典的過ぎて解説不要かと思います。

しかし昨今はまたテレビCMの形態が変わってきています。

例えば、株式会社ノバセルがテレビCMによる効果検証の結果を共有するなど、これまで放送して問い合わせがあるか祈って終わりというテレビCM施策に対するイメージが変わって来ています。さらに2024年末には日本テレビでは、地上波放送のCMを運用型広告と同じようにリアルタイムの入札結果によって放送内容を決定する『ARMプラットフォーム』をリリースすることを発表しています。こうした事例からもテレビCMについては今後も動向をチェックする必要があるでしょう。

ではテレビCMを活用している事例として『日清グループ』を紹介します。

日清グループといえば、『カップヌードル』や『チキンラーメン』などカップヌードルを生み出した食品会社として有名です。

一方で実は日清はネットユーザーの流行にかなり敏感な企業ということはあまり知られていません。昔から日清は前衛的な自社ブランドCMの制作に定評がありましたが、昨今はネットユーザーを中心に注目を集めています。

例えばMV『寝起きヤシの木』は2023年3月にニコニコ動画やYoutubeで投稿されて9時間で再生数が100万回を突破して一躍話題になりました。そしてMV公開後から4ヶ月後、同年7月には日清がテレビCMで『夏の暑さが原因でカップヌードルが売れていないからカップヌードル「シーフード」と激辛「シーフードレッド」を食べよう』という映像を流して非常に話題になりました。

ネット公開から4ヶ月でテレビCM化するとは、日清のインターネットの話題に関するアンテナ感度の高さと大企業とは思えない社内稟議のスムーズさには大変驚かされます。

まとめ

指名検索の重要性とその特徴、指名検索を増やす為の方法を10個紹介しました。

今回は指名検索を増やす為の方法としてネーミングやローカルSEO、メルマガなど費用0円から始められるものから、テレビCMやプレスリリースなどまとまった予算がないと施策として実行できないものまで幅広く紹介しました。是非自社のマーケティング予算を考慮して記事内で紹介した方法を使って自社でも指名検索を増やしてみましょう。

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この記事を書いた人

ゲームプランナー、コンビニ店長を経て
現在はWeb広告の運用者やメディア運営に携わる。
趣味はサウナ巡り(1年間で40箇所以上のサウナを訪れる)
サウナ案件をお待ちしております。

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