内定者フォローのポイントとは?内定辞退を防ぐために人事担当がやるべきこと

令和になって、求職者のニーズや企業の採用活動が日々変化していく中、主に新卒採用時に見られる傾向が強い、内定辞退者の問題に頭を抱えている人事担当者も少なくないと思います。

内定辞退者が多く出てしまうと、企業の人材確保が難しくなってしまう他、口コミや就活情報サイトに良くない評判を書かれてしまい、今後の採用活動に悪影響を及ぼすことも考えられます。

そんな内定辞退者を出さない対策として、内定者フォローが有効であることはご存知でしょうか?

この記事では、企業が実際に行っている内定者フォローの事例や、活用できるイベント案などを紹介します。

「内定者フォローをどう行えばいいのかわからない」と悩んでいる人は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

内定者フォローとは?

「内定者フォロー」とは、企業が内定を出した求職者に対して、入社までにイベントや情報発信を通して、内定辞退を防止する取り組みの総称です。

内定者フォローの目的として、内定者のモチベーション維持や入社する前の準備をすることが挙げられます。

内定者フォローを上手く行うことで、内定辞退者を減らせるうえ、内定者が社内に早く慣れてくれる効果も期待できるため、面白いイベントを企画するなど、多くの企業が内定者フォローに力を入れています。

内定者フォローが重要になっている理由は?

ここでは、内定者フォローが重要になっている理由を3つ紹介します。

面白いイベントを企画したり、適切な頻度で情報を発信する必要があるなど、良い内定者フォローをするには、それなりの労力が掛かってしまうことが必須です。

しかし、近年の就活事情を考慮すると、採用活動と同じくらい内定者フォローに力を入れるべきであると言えるでしょう。

このセクションでは、就活事情も含めた情報をまとめていますので、内定者フォローを行うかどうか悩んでいる人事部の人が、ぜひ目を通してみることをおすすめします。

売り手市場傾向が強いため

平成の終わりから令和にかけて、就職活動の市場は求職者よりも企業の求人数の方が多い、売り手市場の傾向が強いです。

そのため、求職者の多くが内定を複数獲得している傾向があり、内定を出してもその後のフォローがおざなりだと、他の企業に入社してしまう可能性もあります。

特に優秀な人材であればあるほど、比較される企業数は多くなりますので、高いレベルの学生を入社させたい場合は、内定者フォローをすることが必須になるでしょう。

入社後の育成プログラムに影響を及ぼす

内定者フォローを適切に行えないと、内定辞退者が多くなってしまい、計画していた入社後の育成プログラムの内容や配属部署の編成を、変更せざるおえない事態に陥ってしまいます。

特に入社後の育成プログラムは、新入社員の早期退職を防ぐための鍵となる重要な要素です。

内定辞退者が多いことが原因で、入社後の育成プログラムを急遽変更してしまうことは、新入社員が早期に退職してしまうリスクを、高めてしまうことに繋がってしまうでしょう。

内定者フォローで注目したいポイント

ここでは、内定者フォローで意識したいポイントを3つ紹介します。

内定者フォローのイベントやメール頻度を考える際には、以下のポイントを意識して、内容のプランニングをすると良いでしょう。

企業の理解度や志望度をフォローを通じて向上させる

内定者フォローをする際には、企業の理解度や志望度を高めるような、イベントや企画をしてあげると良いでしょう。

企業の魅力や強みを内定者に改めて伝えることで、他の内定をもらっている企業よりも志望度を向上させることが可能です。

逆に志望度が低い状態でいると、内定辞退してしまう可能性が高くなってしまうので、注意が必要です。

内定者同士の絆を形成する

内定者同士の絆を形成することも、内定辞退を防ぐのに有効な手段になります。

オンラインの取り組みだけだと、内定同士の交流を作るのは難しいので、適した頻度で面白いリアルイベントを計画すると良いでしょう。

会社に早く慣れるためにも、社風を伝える

内定者フォローで、内定辞退を防ぐことを意識するのはもちろん大切ですが、入社後に会社に早く慣れるためのプログラムも実施するようにしましょう。

たとえ内定者が全員入社しても、多くの人が早期退職をしてしまうと、採用活動の効果が薄かったことになってしまいます。

企業が人手不足に陥らないためにも、入社前から社風などを伝え、働く環境に慣れてもらうことが大切です。

効果的な内定者フォロー4選

ここでは、内定者フォローをする上でおすすめのイベントや取り組みを、4つ紹介します。

「内定者フォローを実施したいけど方法がわからない」という人に、有益な情報をまとめましたので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

内定者・内々定者懇親会

多くの企業が行っているイベントとして、内定者・内々定者懇親会が挙げられます。

懇親会を開くことで、内定者同士の関係性を深めることが可能なため、内定辞退を防ぐことができます。

懇親会はオンラインで行うこともできますが、リアルで内定者同士が出会える場を提供する方が内定者同士のコミュニティーを形成しやすいのでおすすめです。

座談会

座談会は、主に内定者が社員と交流することを目的として企画されるイベントです。

若手社員やベテラン社員と直接会話する機会を設けることで、内定者が入社後のキャリアプランを明確になるだけでなく、社風を伝えることもできるので、入社したい際に早く会社に慣れる効果も期待できます。

また、オンラインでも行いやすい特性もあるため、おすすめのイベントです。

合宿研修

合宿研修とは、数日間の研修プログラムを実施する取り組みです。

長い期間とともに課題に取り組むことで、内定者同士、さらには社員と内定者の絆をより深められます。

ただ、費用や労力がかなりかかってしまう点や、適切なスケジュール管理をしないと、逆効果にもなり得るので、実施する際には入念な準備が必要です。

研修には給与が必要なのか?

内定者研修を実施する際には、給与が必要か否かを考える必要があります。

基本的に研修に給与が発生するか否かは、行うカリキュラムが労働に当てはまるかどうかで決まります。

なお、内定者に研修の参加を強制する場合は、必ず給与を支払う必要がありますので、注意しましょう。

通信教育・eラーニング

通信教育やeラーニングは、主に入社前にある程度のスキルやマナーを身につけさせたい時に活用されるプログラムです。

入社前の期間を使って自分のペースで学習を進められるので、入社後にプログラムで得たスキル・マナーを活かすこともできます。

ただ、膨大な数の教材やプログラムの中から、目的に合ったものを探す必要がある他、教材を利用する際には費用が掛かってしまいますので、きちんと費用対効果を考慮して、取り入れる必要があります。

内定者フォローに使えるツールとは?

ここでは、内定者フォローに使えるツールをジャンルごとに紹介します。

内定者フォローに使用するツールとして、メールや社内の連絡システムがあげられますが、高頻度で活用する点や内定者フォローに合わせたカスタマイズがされていないなど、従来のシステムを利用していると、使いにくさを覚える場面も多々あるかと思います。

内定者フォロー専用のツールを活用することで、人事部の業務負担を軽減させたり、モチベーションをあげやすい情報発信をすることが可能です。

実際に活用できるツールも紹介していますので、「内定者フォローをするうえで、メールだと不便な場面が多くある」と悩んでいる方は、役立ててみてはいかがでしょうか。

SNS型ツール

SNS型ツールは、内定者と企業のコミュニケーションシステムに特化したシステムで、導入することでメールよりも簡単に連絡を取れるうえ、職場の様子などの情報を面白く発信することが可能です。

実際に活用できるSNS型ツールとして、以下のものがあります。

  • エブリONE
  • Chaku2 NEXT

なお、内定者に連絡を取る際には、適切な頻度・間隔を意識することが重要です。

eラーニング型ツール

eラーニング型ツールは、内定者に動画型の学習コンテンツを提供することで、入社前に一定のスキルやマナーを身に着けられるプログラムです。

ツールによっては、プログラムをカスタマイズすることができるので、企業の特性や社風に合わせたスキルを身に着けることも期待できます。

実際に活用できるeラーニング型ツールとして、以下のものがあります。

  • サイバックスUniv.
  • 内定者パック
  • Any See

ツールによってはSNS型ツールも兼ねているものもありますので、企業のニーズによって使い分けてみると良いでしょう。

管理サイト型ツール

管理サイト型ツールは、採用から内定者フォローまでサポートを提供する管理システムです。

採用活動から内定者フォローへスムーズに移行できるサービスが充実しているため、採用活動で多くの求職者の管理をしなければならない、人事部の方にぴったりなシステムです。

実際に活用できる管理サイト型ツールとして、以下のものがあります。

  • 採用一括 かんりくん
  • MOCHICA

システムによって強みや提供されているサービスが大きく異なりますので、きちんとシステムを比較して導入するように心がけましょう。

他社の内定者フォロー成功事例

ここでは、他社の内定者フォロー成功事例を3つ紹介いたします。

内定者フォローは企業ごとの社風や経営方針によって、大きく異なります。

他社の成功事例を上手く取り入れることで、内定辞退を防げるだけでなく、入社前に個人のスキルを向上させることも可能です。

ただ、成功事例を上手く取り入れるためには、事前に内定者フォローの目的や課題を明確にすることが必要ですので、活用する前に自社で行っている内定者フォローの内容を、整理してみると良いでしょう。

株式会社イングリウッド

小売業に向けたDXソリューションを提供している株式会社イングリウッドでは、長期内定者インターン制度を行っています。

内定後の夏から実際に業務しているチームに配属し、業務を体験してもらうことで、内定者のビジョンをより明確にすることが可能です。

さらに入社前に社内の雰囲気に慣れるため、入社後に即戦力で働くことも期待できます。

ただ、活用する際には社内の事業部と密に連携を取る必要がありますので、事前の準備が重要になります。

プロパティエージェント株式会社

不動産事業を行っているプロパティエージェント株式会社では、営業力を養う目的「Sales-1グランプリ」というコンテスト形式の研修を実施しています。

仮想のお客様を設定し、ある事業に興味を持ってもらうことを目的に商談ロープレをするプログラムでは、内定者のチームで戦略MTGも行うので、営業力だけでなく内定者同士の絆を形成することも可能です。

オンラインで実施することも可能ですので、営業に力をいれたい場合は取り入れてみてはいかがでしょうか。

Evand株式会社

人材関連のサービスを提供しているEvand株式会社では、内定者にテーマを指定したブログ運営のプログラムを実施しています。

人事部と広報部がサポートをすることで、内定者と社員の交流を深められます。

さらに、ベストPV賞など面白いイベントを用意することで、長期間内定者のモチベーションを維持させることが可能です。

【まとめ】内定者フォローを駆使して、目指せ内定辞退者ゼロ人

この記事では、内定者フォローのポイントや他企業の成功事例を紹介しました。

人材不足が問題視される近年の就活事情において、内定者フォローの注目度は徐々に大きくなりつつあります。

上手く活用することで、内定辞退を防ぐ対策になる以外にも、入社後に力を発揮させやすくする効果も期待できますので、この記事でまとめた情報を元に面白いイベントを企画してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

現在フリーランスでリスティング広告運用・イラスト依頼・ライティング業務を受けながら活動をしております。
ライフスタイル、グルメ、ビジネス、転職関連の記事を中心に執筆活動をしています。

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