【2024年広告費順】Web広告代理店おすすめ10社

「Web広告を始める為に相見積もりしたい……でも代理店の存在をまったく知らない」
「どのような基準で代理店を比較すれば良いかわからない」
この記事に辿り着いた方はこのようなお悩みをお持ちではないでしょうか。

今回はYahoo!とGoogleが公式発表しているセールスパートナー制度を参照しながらWeb広告運用経験がある筆者が信頼できるWeb広告代理店を紹介します。
※2024年度2月14日時点での情報に基づきます。

この記事でわかること

  • Web広告代理店とWeb広告を使うメリット
  • Yahoo!とGoogleのセールスパートナー制度について
  • 大手Web広告代理店と各社が持つ特性
目次

そもそもWeb広告代理店とは?

Web広告代理店とは、検索広告・ディスプレイ広告・動画広告・SNS広告などWeb上の広告出稿に特化した代理店です。従来のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのマスメディアの広告出稿に特化した代理店との違いは、Web媒体上で広告を運用することで成果を最大化できる点です。

『純広告』とその課題を解決するWeb広告の登場

前述したマスメディアの広告のことは一般に『純広告』と呼ばれます。純広告の特徴は、あらかじめ広告掲載面と掲載期間、それに伴う掲載費用が固定が決まっている点です。テレビCMなどはより短時間で数万人規模のユーザーにリーチできるメリットがありますが、その広告を見て自社の商品やサービスを実際に購入・契約したかまでの効果検証ができないという課題がありました。

一方でWeb広告ではWeb上で広告配信を行う為に、広告表示したユーザーの属性(性別、年齢、居住地、職業、年収など)の把握が可能です。さらに実際にその広告に接触したユーザーが自社の製品やサービスを購入・契約したかの効果検証が容易に行えるという強みがあることから成果に再現性があるとされています。

ここ数十年でWeb広告の広告費はテレビCMを上回るなど、今後もますますWeb広告代理店の広告業界における存在感は大きくなるとされています。

Web広告の強みとそれを活かせる代理店選びのポイントとは?

代理店を選ぶ7つのポイントとは?

Web広告の強みは前述した通り、広告を運用できることです。

Web広告代理店には広告を運用する『運用者』がおり、その運用者の運用によって広告の成果は大きく左右されるとされています。

また同等に有能なクリエイティブディレクターがいるかも重要でしょう。クリエイティブとは、広告配信に使用する画像や動画の素材を指します。クリエイティブディレクターは、クリエイティブ作成時にターゲットユーザーの属性やそのユーザーが抱えている悩みを分析し、ユーザーに刺さる訴求を考え出してそれをクリエイティブに落とし込みます。その際の精度も代理店や担当者によって大きく差が出やすい為、代理店選びでは重視したいポイントです。

Web広告代理店の詳しい選び方は下記の記事にも記載していますので、ぜひコチラもご覧になってください。

【知らないとヤバい】Web広告代理店と契約する前に知りたいこと7選

Yahoo!やGoogleのセールスパートナーという明確な基準

セールスパートナーとは毎年、Yahoo!やGoogleなどの大手Web広告媒体がWeb広告代理店の出稿金額などを基準にその販促実績を認定している制度です。

Yahoo!は星1〜7で評価しているのに対して、Googleは各賞に合わせてノミネートとファイナリストを決定しています。

セールスパートナーのランクや受賞歴は、Web広告を出稿する広告主からその代理店がレコメンドされているランキングと言い換えられます。そこで今回は上記のセールスパートナーを基準にWeb広告代理店のランキングを紹介します。

第1位:Cyber Agent

Yahoo!セールスパートナーランク:
Google:2023 Premier Partner
対応領域:検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、SNS広告、SEO、LP制作など
備考:自社メディア多数(Abemaなど)
企業理念:『21世紀を代表する会社を創る』

第1位はCyber Agent(以下、サイバー)です。

Web広告代理店に詳しくない方でもサイバーの名前は知っているという方は多いのではないでしょうか。

サイバーの特徴は、その事業内容の多彩さです。スマホゲーム『ウマ娘』や『グランブルーファンタジー』などのタイトルで知られるCygamesや動画プラットフォーム『Abema』のAbema TVなど広告事業以外に多くのグループ会社を抱えています。そのグループ会社を使ったシナジーは非常に多彩でYahoo!やGoogleへの広告出稿に加えて、Abema TVや新R25など多くのアクティブユーザーを抱える自社メディアへの広告配信も提案できる点は他企業にない魅力でしょう。

また広告代理店としても業界随一のテクノロジーを持つことで知られており、ChatGPTなどの生成系AIがブームになる前から自社AIである『極予測AI』による広告運用を強みとして持っています。2023年はAI活用を加速させ、従来のクリエイティブチームの見直しを行い、より少ないチーム人数で効率的にクリエイティブ制作を行える体制を構築するなど今後も躍進が期待されます。

第2位:アイレップ

Yahoo!セールスパートナーランク:
Google:Premier Partner Awards 2020
対応領域:検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、SEO、LP制作、テレビCMなど
備考:博報堂のグループ会社
企業理念:『DO BETTER, BE THE BEST』

第2位はアイレップです。

社名のアイレップには、クライアントにとっての「アイ(私の)レップ(代理人)」に徹するという経営理念が込められています。

2002年にGoogle広告(当時はGoogleアドワーズ広告)の日本第一号代理店となるなどWeb広告の先駆け的存在です。

アイレップは、博報堂DYグループに所属するグループ会社です。総合代理店である博報堂のグループ会社として、Web広告に加えてテレビCMなどオンライン・オフラインを問わず幅広い広告メニューを取り揃えています。

アイレップは『科学するテレビCM』とサービスを提供しており、『運用型テレビ広告』の領域にも積極的に先行投資しています。テレビCMは前述した通り、純広告に属する為、効果検証がしづらく再現性が低いという課題がありました。しかしアイレップは独自の分析ツールを開発してその課題を克服しようとしていることから今後の動向に期待が集まっています。

第3位:電通デジタル

Yahoo!セールスパートナーランク:
Google:Japan Platinum Partner Award 2023(グランプリ)
対応領域:検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、SEO、LP制作など
備考:電通のグループ会社
企業理念:『人の心を動かし、価値を創造し、世界のあり方を変える。』

第3位は電通デジタルです。

総合広告代理店の雄である電通のグループ会社です。

電通といえば膨大な消費者行動のデータベースを持っていることで知られています。2003年に電通が提唱した『AISAS(アイサス)』モデルは、インターネットが登場する前の従来の『AIDMA®(アイドマ)』モデルを更新した消費者行動のモデルとして一世を風靡しました。

2023年にはこのAISASを更新する『SEAMS®(シームズ)』モデルを発表しています。このモデルの特徴はSNSにおける無意識の情報回遊がユーザーの消費者行動に影響を与えることを強調している点が挙げられます。

※AIDMA®・SEAMS®は、株式会社電通の登録商標です。

グループ会社の電通デジタルにおいても『SEAMS』モデルを活用した広告戦略の立案がされていると考えられるので、SNSにおける広告出稿やインフルエンサーとのタイアップ企画などSNSを積極活用したプロモーションでWeb広告業界をリードし続けていくと考えられます。

第4位:GMO NIKKO

Yahoo!セールスパートナーランク:
Google:2023 Premier Partner
対応領域:検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、SEO、LP制作など
備考:GMOのグループ会社
企業理念:『Surprising Partner.』

第4位はGMO NIKKOです。

GMO NIKKOは、インターネット関連事業を扱うGMOインターネットグループのグループ会社です。

企業理念に『Surprising Partner.』を掲げている通り、昨今は運用型のWeb広告事業に加えて『XR(VR/VR/MR)』の領域にも積極的に先行投資しています。

親会社のGMOの『すべての人にインターネットを。』という企業理念は有名ですが、GMO NIKKOが運営するGMOメタバースラボでは『すべての人にメタバース体験を。』というパーパスを掲げて積極的にメタバースに関する最新情報を発信しています。

GAFAの一角であるMeta(旧Facebook)CEOであるマーク・ザッカーバーグも自社の名前をMetaに変更するほどビジネス活用が期待されるメタバースですが、GMOもメタバース事業に積極投資をする姿勢であることからその動向には目が離せないでしょう。

今回はYahoo!とGoogleの出稿金額に準拠したランキングをご紹介していますが、近い将来、メタバース領域におけるWeb広告代理店ランキングを発表する際はGMO NIKKOが堂々の1位にランクインするかもしれませんね。

第5位:セプテーニ

Yahoo!セールスパートナーランク:
Google:Premier Google Partner
対応領域:検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、SEO、LP制作など
備考:電通のグループ会社
企業理念:『ひとりひとりのアントレプレナーシップで世界を元気に』

第4位はセプテーニです。

社名のセプテーニはラテン語で『Septeni』と書き、7つずつという意味です。こちらは前身のサブ・アンド・リミナルから社名変更する際に『7人で設立し、7課、7部門へ発展させ、子会社7社を上場させるようにしたい』という創業者七村守氏の思いが込められています。7に縁がある会社です。そして現在、セプテーニはグループ会社は30社以上を誇り、躍進を続けています。

一方で2018年には電通と資本業務提携を結び、2021年にはグループ会社にジョインしました。こちらの背景としては電通が広告費が増大するWeb広告領域における知見拡大を目的としてグループ会社化だと発表されています。

セプテーニとしても電通グループとして電通本体とシナジーが期待されます。一方で広告主として相見積もりやコンペを行う際は、電通デジタルがグループ会社としてカニバルする恐れがあるので気をつけたいところですね。

第6位:ADKマーケティング・ソリューションズ

Yahoo!セールスパートナーランク:
Google:2023 Premier Partner
対応領域:検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、SEO、LP制作、TVCMなど
備考:自社メディア多数(Abemaなど)
企業理念:『すべての人に「歓びの体験」を。』

第5位はADKマーケティング・ソリューションズです。

ADKマーケティング・ソリューションズは、総合広告代理店のADKのグループ会社です。

親会社のADKは総合代理店として電通、博報堂に次ぐ国内3番手になります。ADKの強みとしてはテレビアニメや特撮番組などのコンテンツビジネスへの積極的な出資が挙げられます。ADKは『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『機動戦士ガンダムシリーズ』『仮面ライダーシリーズ』などのアニメや特撮コンテンツの製作委員会に広告代理店として名を連ねています。

その為、上記の作品をWeb広告内で使う場合はADKマーケティング・ソリューションズにWeb広告代理店依頼をすることになると考えられます。新発売の商品やサービスを広告を既存の人気とタイアップさせることは、作品ファンのユーザーへ強烈な訴求になります。ADKマーケティング・ソリューションズはグループ会社で保持しているコンテンツからそうした提案ができる為、他代理店にはない飛び道具を持っているといえるでしょう。

第7位:CARTA COMMUNICATIONS

Yahoo!セールスパートナーランク:
Google:2023 Premier Partner
対応領域:検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、SEO、LP制作など
備考:元電通のグループ会社
企業理念:『人の想いで、人と未来の可能性を、拓いていく。』

第7位はCARTA COMMUNICATIONS(以下、カルタ)です。

カルタは、1996年に電通とソフトバンクが合同出資して設立した『サイバーコミュニケーションズ』が前身となっています。後に電通の完全子会社になりますが、紆余曲折を経て電通から独立。2022年に現在のカルタの社名に変更しています。余談ですがサイバーとつくと、Cyber Agentのグループ会社を連想してしまう方は多いのではないでしょうか。

社名のカルタとは、ラテン語で『紙』やポルトガル語では『海図』を意味する言葉です。世界史の教科書にも登場する英国の王立立憲主義の開始を象徴する『マグナ・カルタ(大憲章)』にも使われているこのカルタから「これまでの常識に捉われず、自ら新たな航路を切り拓き、新しい海図を描いていく」という意味が込められているそうです。

カルタの強みとしては、Web広告代理店の側面に加えてプロダクト開発会社としての側面も持ち合わせている点が挙げられます。前述した通り、Web広告の強みとしてその効果検証性の高さを紹介しましたが、近年はユーザーの個人情報保護の観点からWeb上で個人のプライバシーを保護しようとする動きが高まっています。これまではWeb広告で高い精度でユーザー属性を補足してその行動を追跡できていたのですが、サイトを訪問した際に付与されるCookie(識別子)を付与するかをユーザーの許可制にする必要が生じるなどして効果検証がどんどん難しくなってきています。加えてAppleなどはiPhoneユーザーが使用する自社ブラウザ『Safari』に『ITP(Intelligent Tracking Prevention)』を搭載させ、Cookieを短時間で無効にさせるなどユーザーのプライバシー保護機能を強化しています。これにより、今後はWeb広告の強みであった効果検証や再現性はどんどん失われていくと考えられます。

一方でカルタはこうしたCookie規制が強まり、Web広告を始めとしたデジタルマーケティングが制限されていく中で従来のCookieに依存しないマーケティング活動の支援を開始しています。Cookie規制の問題はWeb広告代理店が共通課題として抱える問題なのでカルタがどのようにして課題解決を行うのかその動向に注目が高まっています。

第8位:ソウルドアウト

Yahoo!セールスパートナーランク:
Google:2023 Premier Partner
対応領域:検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、SEO、LP制作など
備考:博報堂の完全小会社
企業理念:『自他共栄』

第8位はソウルドアウトです。

これまで紹介してきたWeb広告代理店の中でソウルドアウトは唯一、中小企業やベンチャー企業支援を積極的に取り組むことを公表している代理店になります。

こうした背景には創業者である萩原猛氏が過去に味わった苦い経験があります。萩原氏はWeb広告代理店の大手であるオプトで10年間の経験を積む前、自身でネット通販事業を立ち上げた経験がありました。しかしその時はデジタルマーケティングの知識がない為に苦戦し事業から撤退を余儀なくされたそうです。その時に味わった経営者としての孤独や苦しみから、日本中にいる中小・ベンチャー企業の経営者に寄り添いたいという思いに至ったそうです。

一方で2022年には博報堂DYホールディングの完全小会社となっています。中小企業のデジタルマーケティングを主体とすることから本ランキングにもランクインしているアイレップとは棲み分けができていそうですね。

第9位:DYM

Yahoo!セールスパートナーランク:
Google:2023 Premier Partner
対応領域:検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、SEO、LP制作など
備考:自社メディア多数(Abemaなど)
企業理念:『世界で一番社会を変える会社を創る』

第9位はDYMです。

DYMはWeb広告代理店の事業を柱としながら幅広い領域を手掛ける事業会社です。Web事業の他には人材派遣やM&A、医療関係や不動産など幅広い事業を手掛けています。

DYMの強みとしては、自社で広告クリエイティブでも使用可能なタレントシェア・タレントキャスティングサービス『マイタレ』を展開している点が挙げられます。Web広告では少額であまりクリエイティブ制作に費用をかけられない場合、フリー素材か有料の素材サイトからDLした画像を加工してクリエイティブを作成する場合が多いです。その為、予算規模が少ない会社がWeb広告で競合と大幅に差別化を図ることは難しいと考えられています。しかしDYMの場合は月額20万円でクリエイティブにタレントの写真を使用できるので商材とタレントの組み合わせ次第で大幅な成果拡大が狙える可能性があります。またマイタレでは、広告で使用するクリエイティブ以外にも自社サイトや営業資料などでタレントの写真を使用可能な為、SEOや自社サイト内のホワイトペーパー作成時など活用できる場面は多いでしょう。

第10位:デジタルアイデンティティ

Yahoo!セールスパートナーランク:
Google:Premier Google Partner
対応領域:検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、SEO、LP制作など
備考:Web広告・SEOのインハウス支援サービスを提供
企業理念:『無双』

第10位はデジタルアイデンティティです。

デジタルアイデンティティの強みとしては、今回ランクインしている代理店の中で唯一『インハウス支援サービス』を提供していることでしょう。

インハウス支援とは、Web広告を代理店に頼らず自社で運用を内製化する伴走支援サービスです。これまでWeb広告はWeb広告代理店と契約を結んで代理店経由でYahoo!やGoogleなどの広告媒体社に広告出稿してもらうというスタイルが一般的でした。しかし昨今、デジタルマーケティングの重要度が増すにつれて、Web広告運用を自社で内製化したい企業が増えています。実際、社外の運用者よりも自社の商品やサービスを利用するユーザーのことを深く知る社内の人間の方がユーザー心理に対する解像度が高い為、成果あげやすいという点でも合理的であるとされています。

Web広告業界において多様化するニーズに対して自社で広告運用を行う代理店契約を結ぶ他にも、自社の広告運用に関するノウハウを提供するインハウス支援という新しい選択肢を提供している点が非常に進歩的であると考えられました。Web広告を検討されている企業様につきましては、代理店契約の他にインハウス支援サービスを使って広告運用を内製化するという選択肢もあることを強調したいです。

まとめ

今回はYahoo!やGoogleのセールスパートナーのランクや受賞歴からWeb広告代理店を10位までご紹介しましたが、いかがでしたか。

実は私自身、このランキングを作成するまではWeb広告代理店なんてどこも同じだという先入観を持っていました。しかし、その創業の歴史や提供しているサービスの違いを深掘っていくと代理店によってその特色は千差万別であるという点を発見できました。

記事の途中でも紹介しましたが、代理店を選ぶ際の細かいポイント7選は下記の記事内でも紹介しております。コチラも私の記事になりますので、お目通しいただけると私が喜びます。

【知らないとヤバい】Web広告代理店と契約する前に知りたいこと7選

最後にこの記事をご覧になった読者の方が良いWeb広告代理店との縁に恵まれることを心からお祈りしております。

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この記事を書いた人

ゲームプランナー、コンビニ店長を経て
現在はWeb広告の運用者やメディア運営に携わる。
趣味はサウナ巡り(1年間で40箇所以上のサウナを訪れる)
サウナ案件をお待ちしております。

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